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<FOOD & COOKING>
新発売の食品、食材をはじめ、「美味しいもの」や「新感覚のレシピ」「話題のお店」など。「食」にまつわるさまざまな話題を取り上げます。
最新コラム
 2003. 8. 13  
老舗和菓子店の羊羹に行列をつくる人たち
〜時間を費やして手に入れるものの価値〜
コメンテーター:びすけっと
今回の注目記事
東京のとある和菓子店では、1本580円、1日150本限定の羊羹を目当てに、早い人は午前三時から行列をつくるとか…。そこで今回は、私たち消費者はなぜこうした限定品に惹かれるのか、ちょっと考えてみました。
----------------------------- 日経流通新聞 2003.7.10 [夕刊・1面]
デフレに咲く(1)
ニッポンの行列
午前3時の「羊羹メイト」
午前三時の東京・吉祥寺。(中略)並ぶのはほとんどが六十−八十歳の高齢者たち。彼らのお目当ては一本五百八十円の羊羹(ようかん)だ。

わずか1坪の和菓子店「小(お)ざさ」に行列ができ始めたのは、三十年以上も昔だ。(中略)気温や小豆の様子で微調整する職人芸で、一日三釜、百五十本が限度。一人五本ずつ三十人しか入手できない希少性が行列を生んだ(中略)

「『羊羹メイト』って名付けたグループでお芝居や旅行に行くこともあるの」と話すのは六十歳の主婦。小ざさが生活の一部となった究極の上顧客だ。(中略)

バブル、デフレを経て「値段」という尺度が揺らぐ今こそ、カネではなく時間を費やして手に入れる名品が価値を増す。(中略)小ざさの先代は生前、「名物にうまいものなし」という言葉に、事業拡大で堕落していく名店のさまを読んだという。行列におぼれず、身の丈を知った潔さが、デフレ時代に変わらぬ花を咲かせている。
-------------------------------------(ここまで日経記事)


い〜こえスタッフ(主婦)のコメント
老舗和菓子店の羊羹に行列をつくる人たち
〜時間を費やして手に入れるものの価値〜
コメンテーター:びすけっと
午前3時から羊羹を買う為にあなたは行列に並びますか? おいしい物を手に入れるには、「やはりそれ相応の苦労が無いと…」と思う方、「そこまでしなくても…」と思う方、意見はいろいろあると思います。

この記事に出てくる『羊羹メイト』とは、行列を通じて出来た仲良しグループ。羊羹から交友関係が広がっていく人たちがいます。そして驚いたのが、一人五本というルールもそんな行列を作るお客さんたちが決めたという事。そこまで人々の暮らしに密着したお店の味とはどんなものなのでしょう?

まずは、記事に登場する「小(お)ざさ」について書いてあるグルメサイトを覗いてみました。一般投稿者の評価欄を見ると、「並んででも手に入れる価値あり!」というものや「まあまあ」という意見など、いろいろ。また、「わざわざ足を運んでくださるお客様に失礼」「予約販売など、行列に並ばなくても買えるように検討してみては?」という意見も寄せられています。確かに、こうした「限定品の行列」については意見が分かれるところでしょう。

では、このように限定品をお目当てに行列ができるのはなぜなのでしょう。1日に24時間のうち、数時間を費やしてまで買う羊羹の価値って何なのでしょう。「それなりの苦労をして手に入れる羊羹だから、味わいもひとしお」という、希少性が付加価値としてプラスされているということもちろんあるでしょう。そうやって長い時間、何回も並んだ常連さんたちがサークルを作ってしまうというのも、その羊羹に並ならぬ魅力があるからだと思います。

ですが、なんといっても注目したいのが、その希少性を生んでいるのは「昔ながらの製法を守っているから」という点。昔から変わらぬ味を誠実に守り、貫いている姿勢が、人々の支持を獲得しているんだと感じます。現代の時間の流れは急で早く不安定。昔みたいにゆっくり穏かではありません。だからこそ、大量生産ではなく、昔と変わらない製法で、誠実に製造し続けているお店に今日も行列ができるのだと思います。そしてそれは、こんなにスピードや効率ばかりについ目を奪われてしまう時代だからこそ、なのではないでしょうか。

今日もテレビで、限定商品で人気のお店の紹介がされていました。地域、数量、期間限定・・・。ひょっとしてこうした言葉だけに引き寄せられていませんか? こうした「限定」という言葉だけに踊らされてしいるだけだと、ちょっと寂しいけれど、自分の目で「誠実なお店」を探して、おいしい物を手に入れる。その為には行列に並ぶ。そんな、贅沢に時間を費やして、自分で選んだものなら、それはやはり「価値あるもの」なのではないでしょうか。

〜さて皆さんはこうした「限定品」どう思いますか? 「ついつい並んじゃう」「行列なんてキライ!」など、こちらまでご意見を:info@e-koe.net

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